超伝導応用におけるニオブの超性能
その昔、ある物質が絶対零度近くまで温度を下げると、化学的性質が突然変化し、ほとんど抵抗なく「超伝導体」になることが発見された。この不思議な「超伝導」性能を持つ物質の温度は、臨界温度と呼ばれるようになった。いうまでもなく、あらゆる物質の臨界温度は同じではない。
誰もが知っているように、超低温を得るのは容易ではなく、人々はそのために大金を払っている。絶対零度に近ければ近いほど、その代償は大きい。超伝導材料については、もちろん臨界温度が高ければ高いほど良い。超伝導の性能を持つ元素はたくさんあるが、ニオブは臨界温度が最も高い元素のひとつだ。ニオブでできた合金の臨界温度は絶対温度18.5〜21度と高く、超電導材料の中でも最も重要なものである。
かつて、 超伝導状態にまで冷却した金属 ニオブの リングに電流を流し、その後、電流を遮断し、装置全体を閉じて低温に保つという実験が行われたことがある。 年半後、装置の電源を入れると、ニオブリングの電流は流れ続け、電流の強さは通電したてのときとほとんど変わらなかったという!
超伝導材料は実験による電流の損失がほとんどないことがわかる。超電導ケーブルによる送電は、抵抗がないため電流によるエネルギー損失がなく、送電効率が大幅に向上する。
ある人は、超電導磁石の車輪を使った高速磁気浮上式鉄道を設計した。この列車は、10センチほどの軌道上で列車全体を浮遊させるので、列車と軌道の間に摩擦がなく、移動抵抗が小さくなる。100人を乗せた磁気浮上式鉄道の速度は、わずか100馬力の駆動力で時速500キロ以上に達する。
直径1.5メートルの縁にニオブとスズでできた20キロのベルトを巻きつけると、122キロの重りを持ち上げて吊り下げることができる強力で安定した磁場を発生させることができる。このような磁場を熱核融合反応に利用し、強力な熱核融合反応を制御することができれば、安価で無限に近い電力を大量に供給することが可能になる。