科学者ら、簡単なドーピング法でナノチューブの特性を改善
エール大学の研究者によると、カーボンナノチューブのドーピングを制御することが可能になった。このシンプルなプロセスは、チューブの特性を最適化して結果を出すもので、様々なナノテクノロジーやシリコン・ハイブリッド・エネルギー電池を含むフレキシブル電子におけるドープカーボンの実用性を向上させるのに十分な効果があると言われている。
イェール大学工学・応用科学部と化学部のアンドレ・テイラーとニライ・ハザリがそれぞれ率いるこの研究は、メタロセンという手法を開発した。
液体中の極少量のメタロセンをCNT上に置き、それを高速回転させることで、液体がCNT表面に均一に広がり、その結果、電気的価値を高めることができる高レベルのドーピングが得られる。この方法を用いた研究者たちは、電子不足のメタロセン、特にコバルトコアを持つメタロセンをドーピングすると、正孔を埋めるために負電荷を帯びた電子が存在するのに比べ、正電荷を帯びた電子が余分に存在するCNTに変化することを発見した。正電荷を持つため、p型と呼ばれる。一方、電子リッチなメタロセン、特にバナジウムコアを持つメタロセンをドープすると、最終的に負に帯電したCNTになる。
これらは、n型とp型の両方のドーピングが可能であることが実証された初めての分子である。また、博士候補のルイーズ・ガードとシャオカイを含む研究者たちは、メタロセレンの金属の配位を変えることによって、カーボンナノチューブをn型とp型に自在に変化させることができること、さらにはその間を行ったり来たりすることができることを示した。
これらの発見は重要であり、p-変種のドーピングは非常に一般的であり、CNTが空気と接触したときに自然に発生するが、以前のn-変種のドーピング技術ではドーピングレベルが低く、デバイスに正しく利用できなかった。そこでエール大学の研究チームは、このタイプの最も効率的な太陽電池よりも450%以上効率的なn型CNTシリコン電池を開発した。
ドーピング率が高ければ、電子輸送が促進され、移動度が向上し、もちろんデバイスの動作も向上する。このように、今回の発見は、ハイブリッド太陽電池の効率向上という目的達成に向けて、少なくとも一歩前進させるものであり、私たちにできることは、未来がどうなるかを待つことだけである。